ストーリーテリングという言葉を聞いたことはありますか?商品やサービスを魅力的に感じてもらうためのマーケティング手法の一つとして、最近話に聞くことも多いんじゃないかと思います。
今日はストーリーテリングについて解説し、商品やサービスの価値をもっと高めるためのポイントをお伝えしていきます。
ストーリーテリングとは
まずはストーリーテリングについて解説します。wikipediaによるとこのように説明されています。
語り手が、相手に伝えたい思いやコンセプトなどを、それを想起させるような印象的な体験談あるいはエピソードなどの「物語」を引用し、例示することで聞き手に聞かせ、印象付ける手法のこと。一言で言えば「物語を語って伝えること」である。近年ではマーケティング用語としても知られ、ビジネスにおいても、組織DNAや価値観、想いや魂、暗黙知などを伝え合い、共有するなどの意味でも重要な存在である。
昨今は伝える為の手法や技術としてマーケティング界隈で注目されてきています。ただこれは構造化されただけであって手法自体は昔からよくされているものになります。
例えばドラマや映画、芝居がわかりやすいと思います。ラブストーリーであれば主人公が好きな相手と結ばれたいという思いに共感し、好きな相手とくっついたり離れたりするのを主人公と同じようにドキドキハラハラすると思います。
こういった共感を生む手法の一つがストーリーテリングです。
ストーリーテリングをするメリット
ストーリーテリングの最大の目的は、商品に性能と価格以外の価値を感じてもらうことです。
商品を買ってもらうには、性能と価格が大きな要素になります。物を買う時同じ商品であればどこで買うのが一番安いか検索する方も多いでしょう。
しかし、そうすると販売側は他より安く売らなければならず、1円でも安くするための価格競争をすることになります。安く売るためには単価や人件費などの経費を削らねばならず、そうすると商品の質が下がり、働く人たちのやる気も下がる、そうすると商品は売れなくなりもっと安くしていく悪循環が起きます。
それを打破するためには、商品を適正な価格で買ってもらうことが必要です。例えば似た商品がA社¥1000、自社¥2000だった時、A社に合わせて価格を下げる前に¥2000のままでやれることがたくさんあります。その一つが今回紹介するストーリーテリングという手法です。
ではここで、ストーリーテリングの仕組みを解説する前に、ストーリーテリングを使ってないCMと使っているCMをご覧いただき、その違いをまず感じていただければと思います。
ストーリーテリングを使っていないCM
https://www.youtube.com/watch?v=I_Lmzv6UTww
アタックゼロのCMです。こちらは製品のメリットを全面に出して訴求力を高めているケースです。一般的な製品訴求CMですね。製品のメリットがわかるので製品の理解には一番向いていると思います。
ストーリーテリングを使ったCM①
https://www.youtube.com/watch?v=NDrK56UFOzw
AmazonPrimeのCMです。こちらはおばあちゃんと亡くなったおじいちゃんが生前バイクに乗っていた過去を孫が知り、喜ばせてあげようと当時被っていたヘルメットをスマホで注文し、翌日一緒にバイクに乗るというストーリーとなっています。
製品訴求であれば手軽に買えることや翌日配送などのメリットをもっと全面に出して伝えるやり方もありますが、ここではサービスの性能ではないところが全面に表現されているところが特徴です。
それぞれに特性があるためどちらが良いとかではありませんが、ストーリーテリングを使った表現は、性能や価格では測れない価値を与えていることに成功していると言えます。
ストーリーテリングを使ったCM②
https://youtu.be/dJT_L6d_fU8?t=273
(※前置き部分をカットしているため、4分33秒から始まります。)
こちらは芸人であり絵本作家の西野亮廣氏の近畿大学の卒業式スピーチです。冒頭絵本を映画化したものを作っているという中で、スタッフには反対されているし、ディズニー映画の興行収入は半端ないと伝えながら、ディズニー映画と同じ公開日にして動員数で勝つという宣言をしています。これは不利な状況をあえて作り、自分のこれからの展開にみんなを巻き込んでいく、これもストーリーテリングの手法です。
そして、このあと過去の失敗した話をたくさんして、その失敗があったから今ここで笑って話せるネタができた、その経験がここで活かされている、だから人生に失敗なんてないというメッセージで締めくくられています。ストーリーテリングの一番シンプルな使い方なのでわかりやすいかなと思います。
ではこのような手法を実際に実行していくにはどうしたらいいでしょうか?
紹介した動画を紐解きながら、このストーリーテリングを構造化して、誰でもストーリーテリングができるように解説していきたいと思います。
この続きは次回の記事で。
「つながるデザインで未来をカタチに」
わたしたちのストーリーはデザインに宿っています。
デザインが誰かと誰かをつなげるものだと考え、「挑戦したいこと」「困っていること」「伝えたいこと」を解決するお手伝いをし、お客様の理想の未来を形にすることを目指しています。
たとえシンプルでもそこにあるクリエイティブは、誰かのストーリーを形づくる大切な何かであり続けると確信しています。