これからの工務店集客はどう変わる?

2022.03.10

マーケティングに関するナレッジから少し趣向を変えて、今回は”住宅業界”のマーケティングに特化して考えてみたいと思います。まずは住宅業界にどんな変化が起きているか、どう変化していくのか、アンケートなどのデータを元に仮説検証しましたのでぜひご一読ください。

住宅業界はどんな変化が起きている?

コロナショックやウッドショックなど、家づくり検討中の方も工務店にとっても住宅事情は、ここ最近色々と様変わりしました。特に今回は、マーケティング視点から目まぐるしい変化が起きていて経営課題の大本命とも言われる集客に関して話していこうと思います。

●これまでの集客

これまではチラシやポスティング、ポータルサイトなどで広告費を使えば新規のお客様を呼ぶことができたので、集客できるチャネルは比較的局所的だったと言えます。費用対効果もわかりやすいので、欲しい集客数に対しての予算もある程度組みやすい状態だったと言えるのではないかと思います。言ってみれば魚群に網をかける漁のようなものです。

後は広告費をかければ広告や紹介から集まってきますので、見学会などの対面でどうアプローチするかという営業が非常に大事で、集客は社長の仕事で営業はスタッフもがんばるという、営業を最優先度課題にしていた住宅会社が多かったのではないかと思います。

●新聞はオワコン?

対してこれからの住宅業界はどうでしょうか?家づくり検討者が家づくりを始める時の行動が複雑化し、チャネルが分散してきたことがまず大きいでしょう。いわゆる魚群が見つけにくくなったということです。

例えば、新聞も2000年から比べると20年で2000万部減り、1世帯当たりの部数も1.13→0.57と半分ほどに減っています。

引用元:新聞の発行部数と世帯数の推移(一般社団法人 日本新聞協会)

特に若い世代が新聞を取らないケースが多く、それでも昔のように二世帯住居が当たり前なら読んだかもしれませんが、近年、核家族化が進んでいるので、家に新聞がない世帯が多くなってきています。

●”とりあえず見学会”は全滅?

また、住宅購入者がどんな情報を頼りにして来場するに至ったかについては、「ネットで社名を指名検索した」「クチコミを見た」「公式サイトを見た」「資料請求をした人」が軒並み来場してくれる確率が高くなっているのに比べ、見学会やセミナーに直接きて色々聞こうとする人は減少傾向にあります。

引用元:2021年注文住宅動向・トレンド調査(株式会社リクルート)

●住宅購入者は約20年前と比べ30%減少も

住宅を購入する件数の推移も見ておきましょう。平成13年に721,000戸あった新設持家購入戸数は19年後の令和2年には502,000戸数まで下がっており、約20年で30%も住宅を建てる方の割合が減っています。

引用元:新設住宅着工戸数の推移(国土交通省)

ちなみに世間的には少子化、高齢化、人口減少などが問題として叫ばれていますが、20年から現在まで人口は3%の減少となっています。人口の推移と比較しても、新設住宅持家購入戸数の30%減は正比例どころか予想をはるかに下回る減衰だと言わざるを得ません。いわゆる魚群の数が少なくなってきているということです。

●新しい魚群はどこ?

このように新聞の折り込みなどをみてとりあえず見学会に行ってみようという人が減少し、かつ人口数も減少しているので、来場に至る数が総数としてかなり減少していることは統計的に見ても明白でしょう。魚群を見つけることが難しくなり、また魚群の数も減ってしまった状態と言えます。それでは現在魚群はどこにいるのでしょうか?言い換えるなら、家づくりを検討する方たちはどこにいったのでしょうか?

●ネット当たり前の時代

「ググる」「タグる」「エゴサ」など、ネット検索で自分の欲しい情報を手に入れることはもはや当たり前になりました。それを象徴するように、2021年は一人当たりのネット利用時間がテレビの視聴時間を超えた時代でもあります。テレビは視聴率10%もあれば1000万人が視聴していることになりますが、それらの人気番組を上回ってネット利用者の方が多いことは、どれだけネット利用されているかわかる指標と言えます。

引用元:令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(総務省)
関連記事:10~60代のネット利用時間、初のテレビ超え(ITmediaNEWS)

しかもテレビをつけているからと言って、民放のテレビ番組を見ているとは限りません。テレビでYouTubeやNetflixなどのネットメディアを視聴している割合が全体で3割もいることから、いよいよテレビ番組離れ、ネット中心にシフトしてきていると言えます。

引用元:2021年 年末最新のテレビ利用動向調査(株式会社マクロミル)

アンケートからわかる住宅業界の現状

●現状分析

上記のアンケートを住宅業界の状況に当てはめてみましょう。住宅を購入したと思う方は20年前に比べて30%減少し、家づくりを検討する方でチラシを見て見学会に足を運ぶ方は、20年でその半分になりました。半面ネットで住宅会社のことを調べる方はコロナ前からも着実に増え、コロナで加速、オンライン上での工務店選定はもちろん、見学会や個別相談もオンライン活用が20%増えました。この先の予想として、これからもこの数値は上昇傾向にあります。

●対応策

これまで述べてきた内容から、「ただオンラインやウェブを活用すればいいのでは?」と安易に結論付けるのは最も危険です。今回はそれを伝えたいのではなく、ネット利用率がテレビ利用率を超え、テレビ自体がネットを見る機械として使われて初めている時代に、工務店のオンライン活用が20%という数値は、あまりにも少なすぎるのではないかと感じませんか?家づくり検討者はすでにデジタルシフトしているのに、住宅業界がついていけていないことが一番の問題です。

●他業種で進むデジタルシフト

他の業界はどうでしょうか?アパレルはインスタでインフルエンサーの着ている服を見ていいなと思えばそのままワンクリックで買えるようになり、ZOZOスーツやZOZOシューズのように家にいながら寸法合わせもできます。また、オススメをリアルタイムで表示してくれます。飲食なら食べたい時にスマホ一つでいつでも持ってきてくれます。予約や混雑状況、デリバリーなら配達状況までリアルタイムでわかります。

一般の方はこれらのサービスを普段から当たり前のように利用しています。工務店がその感覚を持ったなら、オンライン活用20%という悲しい現状ではなく、当たり前にオンラインでも満足いくサービスが受けられることが常識になるべきではないかと考えます。他業界では当たり前のことを住宅業界では未知なものという扱いになっているケースは多々あります。まずは他業種の成功事例をシフトしましょう。

例えば、施工例を見たら、これまでに見た傾向からおすすめの施工例が表示される機能があったとします。Amazonや楽天を含めたオンラインストアではそれは当たり前の光景ですが、住宅会社のサイトでその機能が実装されているところは少ないでしょう。

インスタでほしい服が買えるなら、インスタでいいなと思う家の設計者に気軽に質問できるなどはあってもいいですし、配達状況がリアルタイムにわかるなら、家作りがどこまで進んでいるか、リアルタイムでわかることも当たり前にできていいでしょう。前回までの打ち合わせ内容を保存しておいて、いつでも好きな時に見れて家族会議に使えたり、次回打ち合わせのときもスムーズに話が進む情報共有とコミュニケーションが円滑なツールの利用など、お客様のデジタルリテラシーに合わせて取り組める施策はまだまだたくさんあります。

今は時代の転換期、パラダイムシフトが起きている真っ只中です。真に消費者目線で物事を考えて寄り添いながら先導していくことが、早急に求められていると感じます。

●まずは最優先課題に取り組むべき

とはいえ、一足飛びでやるべきことをすべて整えてパーフェクトな住宅会社になることはできません。まずは自社の良いところ悪いところをしっかり見つめて、できるところから改善を最短距離で行いPDCAを回しましょう。そして時代の変化やお客様のインサイトにしっかり寄り添えるように、変化を恐れず不易流行で取り組むことが必要だと確信しています。

こういった状況の中、来場者が増えないと嘆く工務店もいれば、コロナ前よりも客足が伸びている工務店もあります。その成功している多くの工務店には一定の型がありました。次回はその型を元に、これからの工務店集客の在り方について解説します。

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