一番スタンダードな集客イベントといえば見学会ですよね。とはいえ、コロナの影響で集客数が伸び悩んでいたり、SNSもやっているけどなかなか集客できていない、という工務店の声もよく聞きます。今回お伝えするのは、集客できるイベントは見学会以外にもまだまだありますよ、というお話です。
そもそも見学会を開催するには完成邸が必要だったり、住まい手の方の承諾や、工期との兼ね合い、撮影日程の調整、事前準備と当日のオペレーションなど、時間と手間がたくさんかかります。それだけ手間をかけても、あまり期待した集客数にいかなかったりするとがっかりしますよね。
ですが、見学会以外のイベントとなると集客できないんじゃないかと感じ、意外と手を付けていない工務店さんも結構います。ですが家づくりを考えている方にとって入口を増やしてあげることはメリットがありますし、工務店側にとっても全体の集客数を増やすことに貢献できます。手間がかからないのであれば、やらないのはもったいないです。
今回は工務店が開催するべき「集客できるイベント」の紹介と、上手に集客するためのちょっとしたコツをお伝えします。自社でできそうだと感じたら、この機会にぜひトライしてみてください。
❶個別相談会
| お手軽度 | ★★★★ |
|---|---|
| 家づくり関心度 | ★★★★★ |
個別相談をイベントにしましょうという提案です。個別相談は基本的にHPなどで随時募集されているのが一般的です。ただハードルが高いので「いつでも個別相談を受付ています」だけではアポ獲得にはなかなかつながりません。そのため、日程を指定して個別相談会としてイベント化するのが効果的です。例えば、個別相談会の名前をイベント名（例：家づくりCAFEなど）にするだけでイベント感が出て参加のハードルが下がります。
また応用として、平日の夜の個別相談会を「家づくりナイトカフェ」、オンライン個別相談会を「家づくりリモートカフェ」など、名称を変えるだけでイベント感が増してハードルが下がります。他社でファーストプランを書いてもらった図面に対して、第三者的な立場でアドバイスをするという、家づくりのセカンドオピニオンサービスを実施してもいいでしょう。
- ●家づくりCAFE｜相羽建設
-
https://aibaeco.co.jp/event/event-4287/
- ●設計無料相談会｜山弘
-
https://www.yamahiro.org/events/
❷宿泊体験
| お手軽度 | ★★★ |
|---|---|
| 家づくり関心度 | ★★★★ |
宿泊体験は営業マンがいないリラックスした状態で、見学会よりも長時間体感できる、家の良さを十二分に感じてもらえる最大の体感イベントです。ただし泊まると断りづらくなるという消費者心理があるので、申込のハードルは少し高めになる傾向があります。ハードルを下げるには宿泊体験という名称はプレッシャーを与えてしまうので、別の名前で打ち出すのが良いでしょう。
例えば宿泊体験を地元満喫プチ旅行という言い換えて、地元の良さを改めて感じてもらう旅として宿泊する以外の時間もプランニングしてしまうのも非常に面白いです。
近くの観光名所や名店を巡るしおりを作ったり、夜ごはんは買ってきたものならモデルハウスで食べられるようにしたり、可能なら自炊もできるようにするとよりモデルハウスを身近に感じてもらえるので、より思い出に残る体験となります。
OMソーラー株式会社 宿泊体験イベント
https://omsolar.jp/sp/questionnaire_lp/❸セミナー
| お手軽度 | ★★★ |
|---|---|
| 家づくり関心度 | ★★★★ |
家づくりを始める方や、すでに色々検討されている方に対して有益な情報を得てもらい、家づくりのサポートをすることがセミナーの役割です。そのためにはどんな内容のセミナーが良いのか、実際のユーザーに聞いたりスタッフ間で話し合って検討する必要があります。重要なのは「家づくりセミナー」や、「資金計画セミナー」のようにざっくりとした名称にしないことが大事です。そのイベントにどんな人が来てほしくて、その方はどんなことを知れるのかを明確にしたイベント名や説明文にしましょう。それだけでイベントがイメージしやすくなり集客力に影響が出てきます。
- 悪い例
-
・家づくりセミナー
・土地探しセミナー・リノベーションセミナー
・資金計画セミナー・間取りセミナー
・お庭セミナー
- 良い例
-
・家づくり初心者さん必見！家づくり最初の一歩セミナー
・良い土地を見つけるための土地探しセミナー
・建て替え？リノベーション？どっちがいいの？セミナー
・失敗しないための賢い資金計画セミナー
・快適な住まい心地を実現する間取りセミナー
・家事がしやすいキッチン水回りセミナー
・子供にとって暮らしやすいお家セミナー
・夫婦二人でつつましく過ごす平屋セミナー
・家族３人でも暮らしやすい平屋セミナー
・ガーデニングを楽しむお庭のデザインセミナー
・小さくてもお庭がほしい！自分だけのお庭セミナー
など、名称にこだわるだけでも参加するハードルは下げることができます。これ以外にも自社の強みを生かしたセミナーをどんどん企画していきましょう。
❹オンラインセミナー
| お手軽度 | ★★★ |
|---|---|
| 家づくり関心度 | ★★★ |
上記のセミナーをオンライン上で開催するスタイルのセミナーです。ただしオンラインセミナーの場合、気を付けてなくてはいけないことがいくつかあります。
例えば、目の前で話すセミナーと違ってオンラインでは自宅で聞いているケースが多いと思います。スマホを見ていたり、家族と別の話をしていたり、色々なことが気になってしまう場合があります。これを解消するには、視聴者を飽きさせない工夫やなるべく短い時間にするなど、オンラインならではの工夫が必要になります。それ以外にも色々ありますが、見ている人に成りきってストレスを解消するようにしましょう。
●谷口工務店 家づくりセミナー
●株式会社 スムース 家を建てる時の資金計画と人生のお金 【ライフプラン】
❺見学会
| お手軽度 | ★★ |
|---|---|
| 家づくり関心度 | ★★★ |
アポ獲得の必須イベントです。通常の完成見学会のほかにも、
・モデルハウス見学会
・住まい手邸見学会
・構造見学会
・平日夜のナイト見学会
などがあります。
デジタル活用という点ではスマホを活用し非対面で来場できる無人見学会や、土地から検討されている方には、候補地に家を仮想で出現させるAR見学会もあり、実際に中に入ることもできるのでインパクトとしてはかなり大きいです。またVRモデルハウス見学会の中で照明や家具を自由に変えたり、時間を変えて日射の変化を見ることもできるサービスも登場してきています。
●AR見学会 おうちlabo ジブンハウス『ARを活用した驚き体験！最新の家づくり』
❻オンライン見学会
| お手軽度 | ★★ |
|---|---|
| 家づくり関心度 | ★★★ |
上記の見学会に加えオンラインを活用した見学会では、Zoomで営業マンと話しながら見学できるオンライン見学会や、インスタで参加できるインスタライブやYoutubeライブがあります。特長としては生配信で営業と直接やりとりをしながら見たり聞いたりできる利点があります。
●i-worksモデルハウス インスタライブ！
それとは別に、撮影し編集したものをアーカイブ配信でみられるYoutube見学会、360°体験できるVR見学会があります。こちらは動画のクオリティを高められる点と、アーカイブなのでユーザーの好きな時間に見られる利点がありますが、営業とのリアルタイムなやり取りはできないのでコメントにレスポンスよく返すなどが必要となります。
●人と文化が交わる場「つむじ」｜無人販売所、舎庫編
●【７坪のZEH】敷地14坪で叶えた中庭付き住宅＠360°内覧ツアー
❼ライフスタイルイベント
| お手軽度 | ★★★★★ |
|---|---|
| 家づくり関心度 | ★ |
家づくり検討者に直接アプローチできるわけではないですが、ペルソナに合わせたライフスタイルイベントは来てほしい方を呼び込めるメリットがあります。イベント内容としては、
・モデルハウスでお菓子作り体験
・薪ストーブでピザ作り体験
・刺繍レースで小物作り体験
・お家をおしゃれにリメイクDIY教室
などがあります。
コンテンツはクリエイターにお任せできるため会場を用意するなど運用面のサポートをしっかりやれば手間はそこまでかかりません。また地元の野菜やクリエイターの作品が買えるマルシェやマーケットは、地域での知名度を上げてリーチを広く獲得する効果があるのと、住まい手との交流にも最適です。ただし出展者集めや当日のオペレーションなど、規模が大きくなると作業が多くなりお手軽度は下がってしまうので注意が必要です。スタッフだけでなく、出展者さんに住まい手さんを巻き込むなど、こういった時に協力いただけるように日頃からコミュニケーションをとっておくのがベストです。
●【積み木とAR合体させてみた！】ARツミキタウン：ジブンハウス×ハロー
まとめ
イベントといってもパターンは様々です。そしてお手軽にできる反面、見学会より集客できない場合もあると思います。ただ、こういったイベントが家づくりを考えている方の悩みや関心事に響けば、そこから契約に至るチャンスはいくらでも作り出せます。イベントの種類はたくさんありますが、どういったものをすれば集客できるか、家づくりに来られる方の関心事を深堀りしたら、それが解消できるベストなイベントになっているか考えましょう。まずは自社にとってよいイベントの打ち方を研究しながらトライ＆エラーで進めていきましょう。
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